西武1位・蛭間拓哉 屈強な下半身は相撲のおかげ…挫折乗り越えた早大野球部副主将の意外な一面

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 蛭間が友人に誘われて相生小野球クラブに入団したのは小学3年の時。昌久さん自身も30歳まで草野球をしていた野球好き。「熱中できるものがあるのはとても良いこと」と、家から自転車で5分ほどの場所にある知人の工場の倉庫を借りて、週2回ほど夜間練習に付き添った。時には蛭間の友人も交えて特訓。小学6年時は西武ライオンズジュニアに選ばれた。

 中学時代は前橋桜ボーイズで関東大会優勝、浦和学院高で最後の夏は主将として甲子園8強入りに貢献した。順風満帆な野球人生を歩んでいたが、早大2年の夏に挫折が待っていた。

 新型コロナが蔓延し始めた20年。早大では部員の外出などが厳しく制限されていた。しかし、蛭間ら2年生部員が禁を犯して都内の川へ遊びに行ったことが発覚した。部員の1人が川でケガをして救急搬送されたのがきっかけだった。

 小宮山悟監督が激怒したのは言うまでもない。蛭間ら当該部員は2週間の謹慎となり、謹慎明けも練習から外される日々が続いた。それでも、昌久さんは息子を叱らなかった。


「大事な時期に外出禁止を破ったのは悪いことです。でも、仲間がケガをした時にうやむやにせず、しっかり救急車を呼んだ判断は素晴らしいと思ったんです。過ぎたことはどうすることもできない。息子に伝えたのは、『これからできることを精いっぱいやり続けなさい』ということだけ。そもそも僕はあまり怒ったことがないんです」

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