札幌五輪招致の悪あがき…開催の是非問う意向調査を市が再度実施 識者「理念がない」と苦言
どういう風の吹き回しか。札幌市が2030年冬季五輪招致についての意向調査を再び実施する方針を固めたのだ。今年3月の調査では約52%が賛成だったと発表。この「過半数賛成」を盾に、秋元克広市長は「再調査の必要はない」と頑なに繰り返していた。
「今夏になって東京五輪のスポンサーをめぐる汚職事件が次々に発覚。調査時と状況が一変した。さすがに、『再調査は必要ない』と強弁できなくなったからでしょう。この日(20日)、JOC(日本オリンピック委員会)と合同記者会見を行った秋元市長は、招致の是非を問う意向調査の対象を札幌市だけでなく、全国に広げて実施する方針を示しました」(地元マスコミ関係者)
■「そもそもなぜ招致をするのか、原点に戻るべき」
とはいえ、調査手法や時期は未定。3月にわずか10日間だけ実施した前回の意向調査は「反対」の意思を示しづらい質問事項も多く、回収率も58%と低かったため、民意を反映しているとはいい難いものだった。実際、IOC(国際オリンピック委員会)が札幌で独自に行った極秘の世論調査では、賛成は過半数を割っていたという。今年4月に北海道新聞が行った世論調査で賛成42%、反対57%という結果が出たことも、市の調査の信憑性に疑念を抱かせた。