プロ野球で外野手モテモテの謎…ソフトB入り近藤健介「7年50億円」筆頭に厚遇更改ズラリ!
■イチローの影響
こうした“外野手バブル”の背景には、いったい何があるのか。
巨人OBの評論家・高橋善正氏は中大監督時代の10年、本紙コラムでこう書いた。
「シニアやボーイズの関係者に聞くと、小学生の年齢では左投手より右投手が特に多い。そこで親が試合に出したいために子供を左打ちにしたがるというのである」
「大学球界では右投げ左打ちの打者は総じて非力だ。とくに左打席では利き腕が思う存分に使えていないため、いかにもバッティングが不器用だ。中途半端なまま終わってしまうケースも少なくない」
つまり、右打ちの子供が無理やり左打ちに転向したことによる弊害を指摘したわけだ。
アマ球界に詳しいスポーツライターの安倍昌彦氏は、「最近は少年野球でもフルスイングを推奨することが増えつつありますが……」とこう続ける。
「かつてイチローや松井秀喜が日本やメジャーで大活躍していた時代、少年野球の指導者が右打ちの子供を強制的に左打ちに変えるケースがあった。今の30歳前後の選手はまだ、そんな指導者の影響下で野球を始めています。左打ちは右打ちに比べて一塁までの距離が近い。足を使って出塁する意識が高くなる分、当てに行くだけの打撃や、一塁方向へ体を移動させながらスイングする『走り打ち』をする子供が散見された。ソフトバンクの柳田悠岐やレッドソックス入りした吉田正尚のように、左打者として大成した外野手もいますが、潜在的に右の長距離砲になれた子供たちが左打ちになることで大成を阻まれた面もあるのではないか」