大谷の広告価値は“天井”知らず…WBCで世界一&MVPなら年俸+スポンサー料で年収75億円に
3月9日開幕のWBCで二刀流での出場が期待されるエンゼルス・大谷翔平(28)。大会終了後には広告業界の市場価値がさらに高まるかもしれない。
現在の年俸が3000万ドル(約40億円)の大谷は今季終了後、FAになるため、米メディアの多くが史上最高額となる5億ドル(約657億円)規模の契約を手にすると予想している。日本時間9日にはアーティ・モレノ・オーナーがオーナー会議が行われているフロリダ州マイアミで大谷の去就に関して言及。「我々は(年俸総額で)トップ10に入っている」と再契約に前向きな姿勢を見せた。
■大会後に舞い込むスポンサー契約
今オフは金満球団による二刀流争奪戦が展開され、金額が5億ドルを上回る可能性もあるが、グラウンド外での副収入はWBCでの活躍によってさらに膨らみそう。MVPを受賞したり、活躍が評価されれば、スポンサーに名乗りを上げる企業が後を絶たないからだ。
これまでWBCはメジャーのオープン戦、「マーチマッドネス」といわれる大学バスケのNCAAトーナメントと時期がかぶるため、北中米での注目度はイマイチだった。テレビ中継の視聴者数はオープン戦や大学バスケの後塵を拝してきたが、それでもWBCでMVPを獲得した選手は十分、報われている。
2013年大会でドミニカ共和国の主力として初優勝に貢献し、MVPに選出されたロビンソン・カノ(当時ヤンキース)は大会後から翌14年までに飲料やスポーツ用品、精密機械メーカーの計3社と新たに契約を結んだ。当時の米メディアによれば、スポンサー企業からの年間の契約金だけで1社につき約1億円の収入があったという。
17年大会で米国代表のエースとして初制覇に導いたマーカス・ストローマン(当時ブルージェイズ)は、WBCでの活躍によって信販会社とスポーツ用品メーカーの2社がスポンサーに付いた。
今やメジャー屈指の注目度を誇る大谷がさらに世界を制し、今大会のMVPに選出されれば企業からのオファーは過去の受賞者の比ではないだろう。
米スポーツマーケティング大手の「スポンサー・ユナイテッド」が昨年10月に発表した調査結果によれば、大谷は17社とスポンサー契約を結んでいて、ヤンキース・ジャッジの13社を抜いてメジャー史上最多を記録。昨季の年間スポンサー料は2000万ドル(約26億3000万円)でこちらも史上最高額だった。昨年12月には化粧品メーカーとグローバル広告契約を交わしており、新たなスポンサー企業が加わった。
米放送関係者がこう言った。
「去年は大谷がカバーアスリートを務めたゲーム機メーカーなどのテレビCMが米国内で放映された。本業での活躍もあってテレビやネット動画などで大谷を目にしない日はなかった。昨季、大谷の関連グッズが配布されるプロモーションデー7試合の観客動員は平均4万1000人で、チームの1試合平均3万339人を大幅に上回った。これまでの二刀流での活躍から、実力、人気とも今やメジャーで最も旬な選手であることに間違いありません。これまで大谷のスポンサー企業には主に日系企業が名を連ねていましたが、米国内に加えて全世界での注目度の高さから自社ブランドの価値向上、商品の販促につなげようと、大谷をイメージキャラクターに起用したい海外企業は後を絶ちません」