談合事件で逮捕の元次長は「五輪運営のキーパーソン」…“仕事ができる男”の驕りと大失態
一方で、組織委の関係者はこう語る。
「森さんの給料は出向元の陸連から出ていたのに、陸連の事務局には一度も顔を出さなかった。そればかりか、陸連批判までしているとの噂が伝わってきた。昨年の3月末で組織委への出向が解けると同時に陸連を退職。談合容疑で幹部が逮捕されたイベント会社『セレスポ』の顧問に就任した。批判された陸連側が森さんの復帰に難色を示したこともあったようです。逮捕の一報を聞いた陸連関係者は『森会長に目をかけられおごったところもあったからな』と漏らしていました」
森容疑者は「仕事ができる」と言われながら、こんな失態もあった。
東京五輪のマラソンが札幌に移転した件も、実務の中心にいたのは森容疑者だった。女子のスタート時間が当初の午前7時から「猛暑を考慮して」との理由から、レース前夜に突然1時間繰り上げられた。「コロナ禍とはいえ、こんなことは前代未聞」と寝耳に水の選手たちはカンカンだった。
それにしても、だ。スポンサーを巡る贈収賄事件にテスト大会の談合等、芋づる式に逮捕者が出た東京オリ・パラ。森容疑者や受託収賄容疑で逮捕された高橋治之被告(78)らと、密な関係だった森喜朗元組織委会長や武藤敏郎事務総長は、無罪放免でいいのか。