牧原大成の追加招集で広がる侍J「戦術の幅」 守備のスーパーサブが攻撃力ダウン帳消し
そもそも「代走の切り札」でもあり、起用には制限がある。その点、牧原はどのポジションでも高レベルの守備が期待できる。特にセンターラインの二塁と中堅を本職としていることは、大きな利点だ。
評論家諸氏の間でも鈴木が故障する前から、「なんで栗山監督はどこでも守れる牧原を代表に選ばなかったのか」と言われていた。
15~19年にソフトバンクでコーチを務めた飯田哲也氏が言う。
「牧原は今年は外野一本で勝負すると話していましたが、スーパーサブとして魅力がありすぎる選手ですからね。代打はもとより、足も速いので代走からの守備固めという起用もできる。特に今回の日本代表の外野手はヌートバー(カージナルス)はともかく、守備巧者がいない。その意味でも牧原の存在は大きい」
東京五輪の稲葉代表監督も、西武の外崎を「内外野を守れる。彼に代わる選手はいない」と高く評価。ケガで招集はかなわなかったものの、それだけ複数ポジションを守れる選手は貴重なのだ。
「特に短期決戦は選手の状態の良し悪しが最重要。調子が悪い打者には代打を出すなど、スパッと見切るのも大事になる。守備位置を問わない牧原がいれば、選手交代もやりやすい」(球界関係者)
攻撃力の低下と引き換えに、戦術の幅が広がった日本代表。あとは栗山監督の采配次第だ。