侍J“メンタル安定剤”のダルビッシュ 3試合5失点だからこそ自己最多超えの「20勝」まであるぞ
若手投手にはリラックスして臨むよう諭し、自身はあくまでも今大会を調整の一環と位置付けていたのだ。
メジャーリーガーでは唯一、2月の宮崎合宿から合流。自身のことより、チーム全体のレベルアップに尽力した。特に投手にはグラウンドやクラブハウスで滑りやすいWBC公式球の扱いや変化球の握りなど、技術に関して助言を惜しまなかった。球場を離れれば、チームに一体感をもたらすため、親睦を兼ねた食事会を開催。オリックス・宇田川が内気な性格で、チームに溶け込んでいないと知ると本人を囲んで「宇田川会」と称した投手会を開いた。自ら収集したライバル国の打者のデータを持参し、捕手ミーティングに参加したこともあった。
ダルは所属するパ軍で、左足親指を骨折した右腕ジョー・マスグローブに代わり、開幕投手候補に挙がっている。開幕直前のWBCは調整に徹したからこそ、本番は期待できる。万全の状態で臨む今季は自己最多の16勝(2012年と22年)を上回り20個の勝ち星を積み重ねるかもしれない。