大谷翔平WBC制覇&MVPの快挙! 侍Jで「ヒリヒリした試合」経験、決勝でも胴上げ投手に
最後の打者となった盟友・トラウト(エンゼルス)を空振り三振に打ち取ると、歓喜の雄叫びを上げながら、グラブと帽子を勢いよく放り投げた。
22日のWBC決勝の米国戦。日本が3-2で勝利し、2009年大会以来の世界一を奪還した。
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■泥まみれのユニホームで
最大の原動力となったのは、投打二刀流の活躍で大会MVPを獲得した大谷翔平(28=エンゼルス)だ。
1点リードで迎えた九回表、「3番・指名打者」でスタメン出場していた大谷が、泥まみれのユニホームでマウンドへ向かった。
六回表からブルペンとベンチを行き来しながら登板に備え、1球ごとにローンデポパークに雄叫びが響き渡った。先頭のマクニールにフルカウントから四球を与えるも、ベッツを4─6─3の併殺打に打ち取り、2アウト。これが、ドラマを生んだ。
エンゼルスの同僚で、米国代表のキャプテン・トラウトとの夢対決が実現したのだ。アドレナリン出まくりの大谷は160キロを連発。フルカウントからの6球目、鋭く大きく滑る外角スライダーでバットに空を切らせ、年俸総額520億円の最強軍団をグラウンドに沈めた。
優勝トロフィーを手にし、ナインに胴上げされた大谷は顔を紅潮させながら、「夢見ていたところなので本当にうれしい。粘り強く、最後の最後まで諦めずに戦うことができた。(トラウトとの対決は)最高の形で迎えて、最高の結果になってよかった。正直、(WBCが)終わってしまうのはさみしい。この先、日本だけでなく、韓国、台湾、中国、そのほかの国ももっともっと野球を大好きになってもらえるように、その第一歩として優勝できたことが良かったし、そうなってくれることを願っています」と話した。
かねて渇望していた「ヒリヒリした試合」を経験した大谷は、米国戦の試合前、ロッカールームでこうゲキを飛ばした。
「僕からはひとつだけ。憧れることはやめましょう。一塁にゴールドシュミットがいて、センターを見たらトラウト、外野にムーキー・ベッツがいたりとか。野球をやっていれば誰しも聞いたことがあるような選手がいると思うんですけど、今日一日だけは憧れてしまったら、超えられないんで。僕らは今日、僕らはトップになるために来たので。今日一日だけは、憧れるをやめて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ行こう!」