著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

WBCの源田やW杯の三笘が“ミリ単位”プレー 数字にできない魂を機械が証明する時代になった

公開日: 更新日:

 WBC、センバツ、プロ開幕と球春まっさかりだが、野球はずいぶん様相が変わってきた。WBCメキシコ戦の“源田の1ミリ”──二盗の判定に栗山監督がリプレー検証を求め、長い協議の末、覆ってアウトに。流れを変えた重要な場面だった。

 各競技の判定に審判の目視ではなく電子機器を採用する動きは、かなり前からあった。プレーのスピードや技術が進化して判定が際どくなり、プロ化の発展拡大で一つのジャッジが大きな社会価値を持つようになったからだろう。

 テニスは世界ツアーを模索する過程で、常にこのテーマに取り組んできた。1980年代後半、ウィンブルドンはサーブ判定にレーザー光線を導入。線審がスイッチを入れ、ゲームが始まるとスイッチを切る。フォルトならブーッとブザーが鳴る仕組みだが、ある時、鳥が横切ってブーッ、あちこち歩き回ってブブブーッ。そのせいではないだろうが、この実験は続かず、やがてカメラを多角的に配置した「ホークアイ」というシステムが開発され、2006年の全米から採用された。

 判定への異議申し立て(チャレンジ)が3度認められ、写真検証を場内スクリーンで公開する方式は意外に好評だった。線審の補助が、コロナをきっかけに線審なしの人工音声になり、いまやツアー大会の大半で線審不在である。コートに最大10人いたジャッジが主審1人に……大幅な経費節減に対し、ある国際審判員は「機械にはかないません」と話していた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース