打者・大谷翔平は今季“ゴロキング”に…飛球ガタ減り、本塁打率は渡米後で最低
変化球はさばいているが直球は…
大谷は打者としてここまで打率.301、7本塁打、22打点、27三振。まずまずの成績とはいえ、例年よりも打球が外野まで飛ばないケースが多いのだ。三振率(17.8%)こそ過去5年と比べて最も低いものの、特に目立つのがゴロの多さだ。ゴロ率52.4%は46本塁打を放った21年の28.0%、34本塁打の22年の40.1%を大きく上回る。加えて、内野フライ率8.3%、ラインドライブ率12.6%は、いずれも過去ワースト。フライの打球に対する本塁打の割合を表すHR/FBは19.4%で渡米後初めて20%を下回った。さらに本塁打率4.6%は本格的にリアル二刀流で起用された21年以降で最も低い数字にとどまっている(記録は9日現在)。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。
「今季から極端な守備シフトが禁止され、昨年までなら一、二塁間のゴロに打ち取られていた当たりが野手の間を抜けるようになった。3割前後の打率を残していますが、その分、飛球は確実に減っています。これは速球、特にハイファストボールに振り遅れるなど対応しきれてないからでしょう。実際にここまでの7本塁打は、いずれも低めの変化球をうまく捉えたもの。昨季までのように直球を打ち返す確率が上がれば、一発も増えるはずです」
実際、今季の大谷は直球よりも変化球のスイング率が上がっている。直球を振る確率40.5%は過去最低で、逆にスライダー22.9%、カットボール13.0%などの変化球は過去最高だ。
9日のアストロズ戦では右中間に打球速度177.3キロ(今季最速は187キロ)の弾丸ライナーで二塁打を放った。これが飛距離、打球の力強さを取り戻す契機になればいいが……。