エンゼルスと同地区レンジャーズ好調 メジャー最低の“安月給軍団”を立て直した名将の手腕
ガルシアとハイムは大谷の強力ライバルに
好調な打線を牽引するのは、いずれもメジャー最低保証の年俸72万ドル(約1億円)の安月給選手たち。16年に巨人でプレーしたアドリス・ガルシア外野手(30=右投げ右打ち)はチーム最多の15本塁打を放ち、大谷に次いでリーグ4位だ。三塁の定位置を確保したルーキーのジョシュ・ヤン(25=右投げ右打ち)は打率.293、12本塁打、38打点と好調。開幕から好守とも安定したプレーを披露し、4月から2カ月連続でア・リーグ月間最優秀新人に選ばれた。今季、正捕手を務めるジョナ・ハイム(27=右投げ両打ち)も打率.286、7本塁打、46打点。強力な投手陣をリードするだけでなく、主に6番で起用され、得点圏打率.500と勝負強さを発揮している。
大リーグに詳しいスポーツライター・友成那智氏がこう言った。
「レンジャーズの今季の躍進はボウチー監督の手腕によるところが大きい。ジャイアンツ時代同様、ベンチやマイナーでくすぶっていたベテランや実績のない若手をうまく使いこなしています。ガルシアは本塁打王、ヤンは新人王の有力候補のひとり。ハイムは攻守で貢献度(WAR3.7)が高いだけに、09年のマウアー(ツインズ)、12年のポウジー(ジャイアンツ)のように捕手でMVPに選ばれる可能性もあります。MVPや本塁打王を狙う大谷にとってはガルシア、ハイムの2人がタイトル争いの強力なライバルになると思う」
エンゼルスとレンジャーズの直接対決は3試合で1勝2敗と分が悪く、今季残り10試合もある。エンゼルスのポストシーズン進出は名将率いる“安月給軍団”との戦いがカギを握りそうだ。