巨人“格差トレード”でロッテ小沼獲得の深層…原監督の頭の中は「今季逆転Vより来季続投」
「明日の巨人のため若手を使う」
「でも、今回のトレードは違った意味を持っていると思う」とは巨人OB。「今季の逆転優勝を見据えた補強というより、先を考えてのトレードでしょう」とこう続ける。
「当然、今回のトレードにはチーム編成の全権を持つ原監督の意向が反映されている。チーム内には、その原監督があえて将来性を重視してプロ3年目で25歳になったばかりの小沼を指名したとの声があるのです。巨人の周辺では原監督の進退問題がくすぶっていて、3年契約2年目の今季限りで身を引くという見方があれば、契約最終年となる来季のリーグ優勝、日本一を花道にしての勇退を理想としているとの見方もある。坂本勇人が故障で離脱し、中田翔も万全ではないという事情はあるが、このところの原監督は積極的に若手を起用しているでしょう。取材に訪れる評論家やメディアにも『明日の巨人のために若手を使っている』とアピールしている。今年の優勝を諦めたわけじゃないでしょうが、少なくとも本人は来年も指揮を執る意欲を持っているのは間違いない。世代交代の過渡期を乗り越えて、集大成の来季に懸ける。そんな思惑が今回のトレードにも表れているというのです」
原監督は先月末に高卒ドラフト1位新人の浅野翔吾(18=高松商)、ドミニカ共和国からの育成選手のホセ・デラクルーズ(18)を今季初めて一軍練習に合流させ、自らフリー打撃などをチェックしている。リーグ戦再開初戦となった広島戦の先発には、今季初登板初先発の4年目左腕の井上温大(22)を抜擢した。
4日現在、首位の阪神に4.5ゲーム差の4位に甘んじる巨人がこのまま3年連続のV逸に終わったとき、球団がどういう判断をするかは別の話だが、原監督には自ら身を引く選択肢はないようである。