花巻東・佐々木麟太郎「米大学電撃訪問」の舞台裏…最短2年でメジャー挑戦、意見割れる父との折衷案

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最短2年でメジャー挑戦

「佐々木が米国の大学に進学した場合、最短2年でメジャー挑戦できるのです」と、メジャー球団のスカウトがこう続ける。

「米国の大学に2年間在籍、なおかつ21歳以上の選手は、7月に行われるメジャーのドラフトの対象になる。4月生まれで現在18歳の佐々木は来年9月に19歳で入学、2年後の4月で21歳になりますからね。2年間でドラフトの対象選手になるには、それなりの結果が求められますが、それがムリでも3、4年時にもチャンスはありますから」

 問題は2年間、あるいは4年かけてメジャーが注目する選手になれるかどうだが、

「走れないうえに守れない。メジャーに挑戦するのであれば、ゆくゆくは年に30~40本塁打が期待できるような下地をつくることですが、いまのままでは厳しいと言わざるを得ません。内角速球を苦にするのは、体のキレがないから。184センチ、113キロは明らかに太り過ぎですよ。食欲旺盛と聞きましたけど、米国の食べ物は日本以上に高カロリーだし、よほど節制しないと、今以上に太ってしまう。膝や腰の故障も心配です」

 とは前出のスカウトだ。

 佐々木は20日現在、プロ志望届を提出していない。大学進学か、プロ入りか、まだ結論が出ていないからだろう。大学進学は父親でもある花巻東の佐々木洋監督の意向が大きいといわれる。選手として未熟なだけでなく、長い人生において大学くらいは出ておいた方がプラスになる、と考えているのかもしれない。

■父と息子はうまくいっていないウワサ

 そんな父親の意向もあるのか、佐々木本人は当初、プロか進学か逡巡していたが、今年に入って気持ちがプロ入りに傾いたという。佐々木監督は最終的に本人の意思に任せるつもりらしいが、進学を勧める父親と、プロに行きたい本人の意見は平行線をたどり、2人はうまくいっていないというウワサまであるほどなのだ。マスコミ関係者がこう言う。

「米国の大学への進学は両者の折衷案とも言える。大学に行ってさまざまな経験を積みながら、なおかつ2年で念願といわれるメジャーに挑戦できる可能性があるのですから」

 今年のドラフトは10月26日、その対象となるプロ志望届の締め切りは10月12日だ。「佐々木獲得に最も熱心だったのは早稲田大と明治大。このうち明大は、佐々木がプロ志望届を提出するまで枠を空けて待つらしい」とはセ・リーグ球団のスカウト。新たな選択肢が浮上した佐々木の決断に、プロも大学も注目している。

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