水球・浦映月の高校進学は…「石川県にはおまえが必要だ」恩師の説得で“全国常勝”の男子部に
転機になったのは、日本選手権に向けて秀明大OBを含む社会人チームでプレーした時のことだった。
「練習試合後の反省会でした。チームで改善すべき点として挙げられたうちの8割が私のプレーだったんです。このままではやっていけない、秀明水球に対応しなくちゃと。ショックもありましたが、同時に期待してもらえているのも感じました。この一件があったからこそ、チームの歯車として自分がどのような役割を求められているのかを強く意識するようになりました。私の転換期です」
チームにはチームの色がある。秀明大と日本代表チームとでは、求められる役割も変わってくる。東京五輪が終わり、日本代表監督が代わったことで戦術も変化したが、「秀明大の経験があったからか、うまく適応できています」という。
日本代表の目標は24年パリ五輪出場だ。東京五輪の際は開催国枠で五輪デビューを果たしたが、今回は自力で出場枠を掴み取らなくてはいけない。日本代表の前に立ちはだかる最大の壁が中国だ。 =つづく
▽浦映月(うら・えるな) 2002年10月14日、石川県白山市生まれ。小学4年で水球に出合い、市立松任中、金沢市立工業高を経て秀明大に進学。高校1年時から日本代表入り。フィールドプレーヤーとして粘り強いオフェンスとバウンドシュートを持ち味にする。身長169センチ。好きな食べ物はギョーザと春巻き。