西武・平良海馬が明かす先発転向「成功の要因は2つ」 いきなりの二桁勝利には周到な準備が
■直球の配分も変えた
二つ目の取り組みは、直球の配分だ。平良の代名詞ともいえるのが最速159キロのストレートだが、今季は直球を投じる配分を変えた。
「長いイニングを投げるので、その分(リリーフの時と比べて)ストレートの球速は平均で3~4キロは落ちています。思いっきり投げるストレートは筋力も使うし、一番投げて疲れる球種なので、投げる割合をセーブしています」
直球の割合を減らした理由はそれだけではない。
「体力温存以外にも、相手に球種を絞らせないという意味もあります。その代わりに以前投げていたカーブを復活させ球種を増やしました。打者と対戦回数が増えてくると、いろんな球種、球速帯の球を投げられた方が打ち取りやすくなる。実際のところ、カーブは(全投球の)割合にして2~3%くらいとあまり投げていませんが、”カーブを持っている”と思うだけでバッターは嫌だと思うので」
周到な準備があっての先発転向。「自分でデータをとっているわけではなく、チームのスコアラー、バイオメカニクス、アナリストの人達との協力があってこそ。自分一人だけだったら何もできていないです」と話すが、データを取捨選択する能力の高さはメジャー関係者も認めるところ。本人が意欲を示すメジャー挑戦に向けて、着々と準備を進めている。