西武・平良海馬が明かす先発転向「成功の要因は2つ」 いきなりの二桁勝利には周到な準備が
二つ目は、打球速度のデータだ。
「どこのコースの打球速度が速いかというデータをとっています。一番打たれたくないのは、やはり長打です。外野に飛ぶような速度の速い打球は二塁打、三塁打になりますし、特にホームランは避けたい。そのため、データで打球速度が遅いと出ているコースになるべく投げるのです」
平良といえば、7月13日のソフトバンク戦でベンチに確認を取らず、自らの判断で申告敬遠を選択したことが話題となった。その時の相手打者は近藤健介(30)だったが、「ツーボール、ノーストライクからだと打球速度が速くなるデータがあるので、それを嫌っての選択でした」と話す。
三つ目は空振り率だ。「どのような球を空振りするかというデータを元に、追い込んだらそこに投げて三振数を増やします。球種とコースを確認してなるべく早めに追い込んだうえで、空振りしやすいコースに投げて三振を奪うチャンスを増やします」
この三つを基本とし、「とりあえずデータ通りに投げてみて、臨機応変に組み合わせて判断しています」という。リリーフ時代は投球回や対戦回数も限られ、データ収集はどのような時に打たれ、どのような時に空振りが多いかというデータを集めた程度。対戦相手のこともあまり調べていなかったというのだ。