阿部巨人は山﨑福也にフラれてむしろ吉! 金満FA補強→生え抜き育成へ「大転換」の絶好機
巨人が史上初となる「FA3人取り」を敢行した年がある。高橋由伸監督1年目に2位とV逸した2016年オフで、山口俊(DeNA)、森福允彦(ソフトバンク)、陽岱鋼(日本ハム)を立て続けに獲得。総額30億円とも40億円ともいわれる大枚をはたいたものの、翌年は史上初めてCSに出られないBクラス4位に沈んでいる。
■1人獲得で死ぬ若手数人
前出の川端氏が続ける。
「金銭的な理由があるにせよ、『ドラフトで取った選手の4年先や5年先を見なさい』という方針の広島が、積極的にFA補強をしないのも、若手選手の芽を摘みたくないから。FAで選手を1人獲得すると、少なくても数年は若手1人ではなく、数人が死んでしまう。二軍で完封するより一軍で1イニングを抑えた方が選手は育つ。エース級の投手でないなら、FAは弊害の方が大きいというのが広島の考え方です。直近では16年から18年にリーグ3連覇してその成果が出た。来年勝てなくても、勝負は数年後と巨人や阿部監督が考えられれば、今の阪神やオリックスのように、自前の選手を中心に黄金時代が築けるかもしれませんから」
新生阿部巨人が山﨑福にフラれたことは、やり方次第ではむしろ朗報といえそうだ。