箱根駅伝100回大会「全国化」は何のため? 来年から「関東学連」限定で茶番劇ハッキリ
なんのための「全国化」だったのか。
東京箱根間往復大学駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は5日、来年の第101回大会以降の参加資格は同連盟の加盟校に限定すると発表した。第100回を迎えた今年は記念大会ということで、ハーフマラソンの距離を上位10人の合計タイムで争う予選会には全国からの参加が認められた。史上最多の57校が13枚の本戦切符を争ったが、関東以外の11校で切符を手にした大学は皆無。最高位の27位京産大は13位の山梨学院大と14分35秒もの大差がついた。
全国の大学がこの予選会に参加できると発表されたのは、レースの約1年3カ月前。長距離の有望選手はみな関東の大学に進学していることから、地方大学が本戦に出場できる可能性はゼロに等しかった。100回の記念大会を前に関東学連も「全国化」の声を無視できなかったのだろう。
「でも、今回の全国化は完全な愚策でした」と、地方大学出身の実業団OBがこう言う。
「地方の大学が予選会で本戦の出場権を獲得できないことは大会関係者なら誰でもわかっていたことです。門戸開放が今回限りということも。要するに、予選会に参加した地方の大学は例年以上に注目度が高い100回大会の盛り上げ役に利用されただけ。これでは、ある意味、かませ犬じゃないですか。怒っているのは、『全国化は茶番』と言い続けてきた青学大の原監督だけではないでしょう。学連は来年からの参加資格を従来通りに戻すと発表した際、連盟加盟校に所属する選手の強化を第一に考えることが前提と言った。ならば今年の大会も、関東学連の大学だけで行った方がよほどすっきりしましたよ」
その通りだ。