坂本紘司氏が語る“湘南らしさ”とは? 最下位で社長就任も「継続してやるしか!」と決意
湘南の強みは「継続性」
湘南は、決して財政的に恵まれたチームではありませんが、湘南には強みがあります。それは「継続性」だと思っています。
一過性の劇薬でチームをガラッと変えるのではなく、ずっと地道に積み上げてきた「湘南らしさ」があるので、チーム編成が苦しい中でも基準をブラさずにチームを作って来られていると思います。
我慢を重ねながら良いところ、悪いところを整理しながらシーズン終盤に向かうにつれ、チーム全体がムードも含めてプラスに変化していっていることを感じました。
プレイヤーをやっていたこともあり、肌感覚の部分もありますが、「選手はやってくれる」と信じられる部分がありました。残り5試合目のセレッソ大阪戦に勝利したことでJ2降格圏を脱し、終盤5試合を「3勝1分け1敗」で乗り切ったことで最終的には15位でシーズンを乗り切ることができました。
最悪の状況から残留できた瞬間、ホッとしたのは事実ですが、そう思ったのは一瞬に過ぎません。反省や課題、やらなければいけないことで頭がいっぱいになりました。
すぐに「今から2024年シーズンに向けた準備がスタートした!」と頭を切り替えました。(つづく)
▽坂本紘司 1978年12月3日生まれ。滋賀県出身。静岡学園高からジュビロ磐田、湘南ベルマーレでプレー。2012年に引退。Jリーグ通算出場456試合.57得点。引退後は湘南のフロントスタッフを皮切りに営業本部の本部長、取締役、スポーツダイレクター、GMを経て2023年6月に社長に就任した。
(取材・構成=森雅史/サッカージャーナリスト)