パリ五輪代表主将 藤田譲瑠チマ(前編)「日韓戦に懸ける特別な気持ちはない」
藤田譲瑠チマ(21歳・シントトロイデンMF)
2024年はパリ五輪イヤー。U23日本代表は4月に、アジア最終予選を兼ねたU23アジアカップ(カタール)に挑む。中国・UAE・韓国の「死の組」を2位以上で通過し、決勝トーナメント3位以内に入れば、8大会連続五輪出場がかなう。チームを牽引すべきひとりでA代表経験のあるボランチの藤田譲瑠チマを直撃した――。
パリ世代は23年に、イングランド、メキシコに勝利し、ドイツに引き分けと強豪国と互角に戦える力をつけてきた。
とりわけ印象的だったのが5-2で勝利した11月のアルゼンチン戦(静岡)だ。
主将の藤田は「10回やったら8回勝てる内容ではなかったんで、まだまだ慢心できる状況じゃない」と気を引き締める。
一方で「自分が後半頭からチームの流れをいい方向に持っていくプレーをできたから勝てたと思っている」と自信をのぞかせた。戦術眼に秀でる技巧派ボランチの真骨頂が存分に発揮された一戦だったと言っていい。
「(最終予選の)抽選結果を聞いた時、一緒にいた理仁(山本=シントトロイデン)と『すごいメンツだな』と顔を見合わせましたが、どの組に入っても簡単じゃないのは確か。絶対に勝たなきゃいけないと強く思いましたね。特に韓国は強いし、(23年)10月のアジア大会決勝(1-2で敗戦)を見ても力の差を感じた選手もいたはず。ただ、僕自身は日韓戦に懸ける特別な気持ちはない。昔の試合を見るタイプでもないし、普通の試合と一緒。普段の力を出すだけですね」と02年生まれの若武者は、過去の因縁にとらわれることなく大一番に向かっていくという。
その前に所属先で結果を出すことが最優先。今季前半戦はリーグ20試合のうち出場は11試合。先発は3試合にとどまっている(1月10日時点)。