アジア杯現地取材 優勝候補の日韓、苦戦した中東勢…アジアのレベルアップを実感している
アジア各国の「サッカーの質」が向上
かつては「アジアの盟主」だった中東勢は今大会の前、主役の座を優勝候補の日本と韓国に奪われていた。
日韓にはヨーロッパ5大リーグでプレーする選手が複数いて、カタールW杯でも日本はW杯優勝国のドイツとスペインを、韓国はポルトガルを破ってベスト16に進出している。
結果を残した日本、韓国への対抗意識とジャイアント・キリングを狙った守備的な布陣(日本戦のイラクをのぞく)に加え、最後まで堅守速攻を完徹する粘り強さが、グループリーグで日韓両国を苦しめることになった。
そのことは中東勢に限らず、東南アジアの国々にも共通している。90分間粘り強く、集中力を途切らすことなくゴール前を死守し、カウンターからの反撃を狙っていく。そうした姿勢からインドネシアは日本相手に1点を奪い、ベトナム戦での勝利で初のグループリーグ突破を果たした。マレーシアは韓国戦で90分+4にPKを献上して2-3とリードされながら、終了間際の90分+15に同点ゴールを奪うなど韓国を大いに慌てさせた。
「アジアは甘くない」とは、昔から言われてきたこと。前回2019年開催のUAE大会も、森保ジャパンは苦戦の連続だった。それでも決勝戦までたどり着いた(決勝でカタールに1-3のスコアで敗退)。
今大会は、4年前よりもアジア各国の「サッカーの質」が、間違いなく上向きに変化している。海外から招いた外国人指導者の成果かもしれないが、どの国も最先端の戦術にトライしようとしていることも、レベルアップに繋がっている。このことも中東初のW杯開催が、アジア全体にもたらしたプラス効果なのだろう。
日本代表の次の相手はグループリーグE組1位通過のバーレーンだ。日本時間31日午後8時30分のキックオフを待ちたい。
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