ドジャースの手段選ばぬ“ダボハゼ補強”は不安の裏返し 埋められない「昨季24勝」の大きな穴
大谷翔平(29)と山本由伸(25)。オフのFAランキング1、2位を独占したドジャース。「悪の帝国」はいまやヤンキースではなく、この球団の代名詞になりつつあるように、その後も補強の手を緩めていない。
中でも貪欲なのが先発投手の補強だ。160キロ右腕のグラスノー(30)に続いて、23日にはFAで昨季7勝(5敗)のパクストン(35)を1年約16億円で獲得。これでチーム総年俸はメジャーで一、二を争う約454億円に膨れ上がった。
しかし、どんなに補強しても先発陣の不安は尽きない。21年に16勝したビューラー(29)は2度目のトミー・ジョン手術明け。グラスノーとパクストンは、ともに21年に同手術を受けている。メジャー経験のない山本は右肘や左脇腹に故障歴がある。ケガの不安がつきまとう4人に昨季11勝したメジャー2年目のミラー(24)を加えた5人がローテの中心だけに過度の期待は禁物なのだ。
しかも5人のうち左腕はパクストンひとり。昨年マークした100勝のうち、24勝はFAになったカーショー(35)とウリアス(27)が挙げたもの。カーショーはサイ・ヤング賞3回、ウリアスは21年に20勝して最多勝、22年は2.16で最優秀防御率を獲得している。2人ともメジャーを代表する絶対的な左腕だっただけに、彼らの穴を埋められる保証はどこにもない。