著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

メッツGMにスキャンダル頻発「本当の理由」…現オーナーで早くも3人目の“クビ”

公開日: 更新日:

 しかし、これは事実に反する。ニドは昨年「ドライアイ症候群」で守備力が別人のように悪くなったために負傷者リストに入っており、エプラーGMの不正で入れられたのではない。

 昨年メッツに在籍したリリーフ投手トミー・ハンターは、どの球団のGMも、大きな故障がなくても成績不振者を60日間の負傷者リストに入れて、あいた枠に必要な戦力を加えることは普通に行われていると発言。「エプラーGMは、他球団のGMが普通にやることをやっていただけなのに、なぜ厳しく処罰されたのか理解に苦しむ」と同情している。

 このようなGMのスキャンダルが頻発するのはメッツ特有の現象である。現オーナーのS・コーエンがメッツを買収したのは20年11月。20年12月にGMに任命されたジャレッド・ポーターは就任直後に4年前のセクハラ行為が発覚し、わずか1カ月でクビになり、後任のザック・スコットはその年(21年)の9月に酒気帯び運転で警察に検挙されていたことが発覚して職を解かれた。

 どの球団にもスキャンダルのタネはいくつもある。ガバナンスがしっかりしている球団は、それが表に出ないよううまくコントロールしているがメッツはそれが脆弱だ。しかも、ニューヨークには内部告発にすぐに飛びつくゴシップメディアが多数存在する。その一方でオーナーはヘッジファンドの雄だが、球団経営はずぶの素人でスキャンダルをことのほか嫌う。こうした要素が重なり合ってメッツではGMのスキャンダルが多発するのだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…