メッツGMにスキャンダル頻発「本当の理由」…現オーナーで早くも3人目の“クビ”
しかし、これは事実に反する。ニドは昨年「ドライアイ症候群」で守備力が別人のように悪くなったために負傷者リストに入っており、エプラーGMの不正で入れられたのではない。
昨年メッツに在籍したリリーフ投手トミー・ハンターは、どの球団のGMも、大きな故障がなくても成績不振者を60日間の負傷者リストに入れて、あいた枠に必要な戦力を加えることは普通に行われていると発言。「エプラーGMは、他球団のGMが普通にやることをやっていただけなのに、なぜ厳しく処罰されたのか理解に苦しむ」と同情している。
このようなGMのスキャンダルが頻発するのはメッツ特有の現象である。現オーナーのS・コーエンがメッツを買収したのは20年11月。20年12月にGMに任命されたジャレッド・ポーターは就任直後に4年前のセクハラ行為が発覚し、わずか1カ月でクビになり、後任のザック・スコットはその年(21年)の9月に酒気帯び運転で警察に検挙されていたことが発覚して職を解かれた。
どの球団にもスキャンダルのタネはいくつもある。ガバナンスがしっかりしている球団は、それが表に出ないよううまくコントロールしているがメッツはそれが脆弱だ。しかも、ニューヨークには内部告発にすぐに飛びつくゴシップメディアが多数存在する。その一方でオーナーはヘッジファンドの雄だが、球団経営はずぶの素人でスキャンダルをことのほか嫌う。こうした要素が重なり合ってメッツではGMのスキャンダルが多発するのだろう。