韓国で初の公式戦を行う大リーグの思惑…背景に高校球児わずか「約3600人」の惨状
大リーグ機構は2017年にソウルに事務所を開設して以来、韓国での野球の普及に向けた取り組みを本格化させている。
そして、一連の施策の最初の仕上げとなるのが、今年3月の公式戦(ドジャース対パドレス)の開催である。
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次リーグの開催国のひとつが韓国だったのは、機構の韓国を重視する態度の表れだった。
また、近年も、機構が新たな国際戦略の施策として2022年に実施した「ホームランダービーX」の開催地として、ロンドンとメキシコシティーとともにソウルが選ばれている。
「ホームランダービーX」は元大リーグ選手が現地の女子野球やソフトボール選手らで構成されるチームを率いてホームラン競争に参加するというもので、野球を広範な層に広めようとする試みだ。
アジア地域では日本に次いで大リーグに在籍した選手の数が多く、WBCでも準優勝を1回記録する強豪国として高い存在感を誇るのが韓国である。
しかし、競技としての野球の裾野の広がりは限定的で、もっぱら観賞の対象にとどまるというのが現状となっている。