元横綱・白鵬が「師匠失格」でも宮城野部屋を潰せない複雑事情…解散で悲鳴をあげるのは審判部
審判部経験のある別の角界OBが言う。
「当時は同一門の木瀬親方を可愛がっていた北の湖理事長が、剛腕で無理やり復活させた。白鵬にそこまで骨を折ってくれる人がいるとは思えないが、解散する前と同じ形での再興という前例ができたのは確かです。この前例が厄介で、もし宮城野部屋が解散なら審判部が頭を抱えますよ」
審判部は本場所の取組編成も重要な仕事。いまさら言うまでもなく、大相撲は同部屋力士の対戦はご法度だ。
「宮城野部屋は新弟子を含め所属力士18人、行司、呼び出し、床山も4人おり、22人の大所帯です。この人数をいっぺんに受け入れ可能な部屋なんて今はない。解散となれば伊勢ケ浜一門の部屋に散り散りになるでしょう。問題はその先です。宮城野部屋の再興は事実上不可能、あるいは当分先であっても、取組を決める審判部は『いずれまた兄弟弟子に戻るかもしれないから……』と、割を組むのを躊躇するものです。木瀬部屋の時のように1部屋に固まっていればその問題は生じなくても、バラバラになれば審判部もてんてこ舞い。それを踏まえた上で、幕内・十両なら15日、幕下以下なら7日分の割を組むので、面倒ばかり増えかねない。すべてを丸く収めるには、白鵬が自ら協会を辞めるか、追放されて、宮城野部屋をそっくりそのまま別の親方が引き継ぐのが理想ですが……」