日本ハムのさらなる躍進を予感させる「育成システム」の復活 一軍好調の裏で二軍もぶっちぎり首位
昨年までの2年間、貯金をひとつもつくれなかった日本ハムが気を吐いている。
昨季、本塁打王に1本差の25本塁打を放った万波(24)は目下、3本塁打、打率.230。7年目の清宮(24)は二軍暮らし。4番候補の野村(23)は不調で20日以上ファームにいて、6日のソフトバンク戦から戦列に復帰したばかり。期待の新庄チルドレンはからっきしなのに、チームは首位ソフトバンクと5.5ゲーム差のリーグ2位。貯金も2つあるのだ(9日現在)。
好調の要因は投手陣の踏ん張りに尽きる。伊藤(26)、山崎福(31)、加藤貴(31)、北山(25)の先発4本柱が安定し、抑えの田中正(29)を筆頭にリリーフ陣もしっかりしている。
しかし、日本ハムOBによれば、「いま以上に期待できそうなのはこれから。コンスタントに勝っていたころの育成システムが復活しつつある」という。日本ハムは2006年からの11年間でリーグ優勝5回、そのうち2回日本一になった。
「当時は、たとえ高卒選手だろうとファームの実戦で積極的に起用。いわば選手を促成栽培して一軍でデビューさせた。チーム内の活発な新陳代謝が一定のチーム力につながったが、選手の体力が落ちたせいなのか、ある時期から故障者が続出。特に高卒選手は体力がつくまで実戦で起用しなくなった。けれども、昨年あたりから以前のような起用が復活したのです。興味深いのはドラフト下位指名の高卒選手や、高卒2年目の育成選手まで、代わる代わるスタメンで起用していること。トレーナーが疲労度をこまめにチェックしながら、疲れがたまっていれば1、2打席で交代させる。故障を未然に防ぎながら、なるべく実戦経験を積ませるように工夫しているようです」(前出のOB)