中日マルティネスに亡命の意思なし 今オフ最大6球団で大争奪戦!「年俸10億円」が最低基準か
今オフのFA市場で最大の目玉といっていい。
23日に第1戦(エスコンフィールド)が行われたオールスターのセ・リーグ抑え部門で、ファン投票1位を獲得した中日のライデル・マルティネス(27)だ。
3年契約の最終年を迎える右腕は今季、42試合で1勝2敗29セーブ、防御率0.88。20歳だった2017年2月、母国のキューバから派遣され、育成契約として来日し、球界屈指の抑えに成長。去る12日には外国人選手としては史上3人目の150セーブを達成した。
最速161キロのストレートと切れ味鋭いスプリットを武器に、絶対的な抑えとして君臨する右腕の年俸は2億3000万円とかなりのお手ごろ価格。中日とキューバ政府はすでに、来季残留に向けた交渉をスタートしているが、選択肢のひとつである「亡命したうえでのメジャー移籍」という可能性は低そうだ。中日OBが言う。
「ライデルは昨年、同じキューバ人投手のロドリゲスが亡命した際に、ひどく心を痛めていました。立浪監督にも、『僕は亡命するつもりはない』と訴えていたといいます。韓国がキューバと国交を結んだことで今後、韓国球界にもキューバ選手が派遣される可能性はありますが、韓国はサラリーキャップ(年俸総額上限)が導入されているため、上限なしの日本が条件面で負けることはないでしょう」
■残留交渉は難航必至
マルティネスは来季以降も日本でプレーすることになりそうだが、今オフ、中日を含めた大争奪戦に発展しそうな雲行きだ。
「年俸10億円がスタートになるとの見方もあります」と、さる代理人筋がこう続ける。
「同じキューバから派遣されているソフトバンクの左腕・モイネロの年俸が目安になるのではないか。昨オフ、3年総額9億円の契約が満了したモイネロは、新たに4年総額40億円規模の大型契約を結びました。キューバ人選手の日本での所属先は、本人の意向も加味されるとはいえ、キューバ政府にとってマルティネスは、モイネロと並ぶ大事な金の卵です。モイネロと同等の大型契約に発展する可能性は十分にあります。本人が中日残留を希望したとしても、他球団の提示条件と開きがあれば、残留交渉は難航を極めるでしょう」