男子バレー髙橋藍は「欠点のない男」 代表前監督、高校恩師、親友が語った知られざる素顔
東京五輪でアンダーカテゴリーから“飛び級”で代表に招集した当時の中垣内祐一監督は、「運動能力が高く、ボールの扱いも器用でアウトサイドの候補として彼を入れたいと思い、(日本代表に)推薦しました。初めは周囲の抵抗に遭うかなと思ったのですが……」と振り返りながら、「特にディフェンスに関しては粘り強く食らいついていく。守備に関してはアウトサイドでは世界トップクラスだと思います」と太鼓判を押す。
日米ハーフの母と日本人の父を持つバレー界の寵児。母校の京都・東山高の在籍時のバレー部監督で、現総監督の豊田充浩教諭がこんな秘話を明かす。
「人望があって、ほかのクラブの生徒にも友人は多くいました。髙橋の周囲に人が集まってくる感じですね。特筆すべきは何といっても謙虚なところ。決して横柄にならない。(3年時に)国体で優勝した後、教科担当の先生が『あの子はテングにならず、いつも通りにマジメに授業を受けているんです』と私のところに来てベタ褒めでした。勉強も、どの教科もまんべんなくできた。キャプテンとしては背中で引っ張っていくタイプ。うちは朝練はあっても強制はしていませんが、彼は3年になっても毎日来ていました。そんな姿を部員も見ているので、『髙橋がやるなら俺らもやらないと』となる。とにかく『もっと強くなりたい』というストイックさがあり、在学中から女性人気もありましたが、浮つくことはなかった」