阪神右腕・秋山拓巳が引退発表…「野手でも見たかった」とスカウト惜しむ“伊予ゴジラ”の打棒
阪神の15年目右腕、秋山拓巳(33)が13日に今季限りでの引退を発表。今季は一軍登板がなく、「寂しいけど、開幕前から今年ダメだったらという気持ちでやっていたので」と清々しい表情で語ったが…
「野手としてやっていたらどうだったか。見てみたかった」
とは、在京球団のスカウトだ。
愛媛・西条高から2009年のドラフト4位で阪神に入団し、通算49勝44敗、防御率3.66。デビューは鮮烈だった。1年目の8月に先発で一軍初登板。相手は巨人で高卒新人の巨人戦先発デビューは阪神史上初だった。この年、4勝(3敗)を挙げて近未来のエース候補として期待されたが、2年目以降は6年間でわずかに2勝。壁にぶち当たった。
「8年目に覚醒し、自身初の2ケタ勝利となる12勝をマークしたが、なかなか芽が出ず、野手転向が持ち上がったりもした。なにしろ、西条高時代は右投げ左打ちのエース兼4番として“伊予ゴジラ”の異名をとり、高校通算48本塁打のスラッガーでしたからね。18年の巨人戦では山口俊から逆方向の左翼へ一発を叩き込み、球団史上2度目となる〝本塁打&完封〟の離れ業をやってのけた。パワフルな打撃は野手顔負けで、野手としてかなりのポテンシャルを秘めていましたから」(前出のスカウト)