テイラー・スウィフトに大リーグ…その価値と市場を維持するための米大統領選
こうした疑念はスウィフトにとって看過できないものであった。そのため、人々の関心が高まる討論会に合わせて立場を明らかにすることで、自らの価値を維持したのである。
もちろん、スポーツ選手も米国においては社会の規範的な存在として、しばしば政治問題に関わる。だが、今回の大統領選挙に関する限り、スウィフトのようにその行動や判断が大きく取り上げられることはない。
しかも、大リーグは機構や経営陣の多くが共和党を支持しつつ、民主党にも献金をするなど、どちらが政権党となってもよいように、政界と適度な距離を保ち続けている。
また、選手の間では民主党の支持が根強く、これまでにもハリスが選手会の存在を重視する発言を行っている。
これは、労使間での支持政党が異なる米国企業の状況と重なる光景だ。
大リーグの政治への対応は、スウィフトとは異なる態度であるとはいえ、100億ドルを超える市場を守るための現実的な政策に他ならないのである。