《城島健司#1》辛口の松永浩美さんを「本当に10年に1人の選手かもしれん」と唸らせた新人時代
3球三振なのに? といぶかる僕に、松永さんはこう続けました。
「タイミングを取れる取れないって話じゃない。バットを振るってことをしっかりできている。見る目が変わったわ」
そう言われると、僕もなんだかその気になってきたものです(笑)。
前年の94年に吉田豊彦さんと最優秀バッテリーに輝き、自身初のベストナインを獲得した吉永幸一郎も、1年目から城島台頭を予感していた一人。
ある時、「田尻さん、新人の城島どう思う?」と聞かれたので、「今のところはおまえの方が全然上よ」と答えました。でも、その数年後、吉永は「俺、捕手やめるわ。首脳陣も城島を使いたがってるし……。俺もリードは極めたつもりで、他球団の捕手の配球も読めるから」と、内野手に転向したのです。吉永もベストナインを2回獲得した捕手。続けようと思えば続けられたけど、その時はすでに城島を認めつつあったのだと思います。
捕手として当時ベテランだった工藤公康さんや武田一浩さんに厳しく育てられた話は有名です。