なぜ広島だけ? ドラフト1位指名事前公表が1球団のみの“超異例”…高校野球雑誌の元編集長が解説

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 珍事勃発である。

 24日に行われるプロ野球ドラフト会議に異変である。前日までに1位指名を公表したのは、「宗山(明大)を取りに行く」と宣言した広島のみ。残り11球団はいずれも「絞り切れていない」「当日決める」「決まったけど公表しない」など、選手名を明かさなかった。

 2007年から逆指名制度の希望枠が廃止されて以降、指名選手の事前公表が1球団のみというのは超異例。昨年は4球団、22年は9球団、21年は2球団だったものの、20年は7球団がドラフト前日までに1位を明かしていた。

 通常、指名選手の公表はライバルを減らすため、選手に誠意を見せるため、といわれている。大学ナンバーワン遊撃手の宗山と153キロ左腕の金丸(関大)のツートップが人気で「不作ドラフト」ともいわれる中、なぜ11球団は沈黙しているのか。

 長年ドラフトを取材してきた高校野球雑誌「ホームラン」の元編集長・戸田道男氏は「どの球団も2人に指名が集中すると踏んでいるからでしょう」と、こう続ける。

「確率が相当低い抽選になることは必至。だからこそ、当たりクジを引けなかった時の外れ1位に誰を選ぶかも睨み、戦略を練らなければならない。もし、2人の指名を公表したら、クジを嫌うライバル球団に、狙っていた外れ1位候補を一本釣りされかねない。逆に2人以外の1位指名を公表すると、その選手を外れ1位候補と考えていた球団が『確率2分の1なら宗山・金丸のクジよりマシだ』と強行指名してくる可能性もある。いずれにせよ、宗山と金丸が突出しているからこそ起きた現象ではないか」

 もっとも、ファンの間では「1位指名がわからない方が当日楽しめる」という声も少なくない。阪神の岡田前監督も昨年、「事前公表は面白くない」と話していた。

 運命のドラフトでは誰が泣き、誰が笑うか。

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