ボクシング井上尚弥 誰もが気になる3つの「これから」…代役挑戦者を圧巻の4回KO、4団体統一王者防衛
「怪物」が不沈の挑戦者を打ち砕いた。
24日、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)が、自身3度目の4団体防衛に成功。3Rから金芸俊(32)のボディにパンチを集め、4Rに右ストレート一閃。これまで一度もダウンしたことがないという金をマットに沈めた。
これで現役ボクサー最多となる世界戦24勝をはじめ、歴代1位タイとなる世界戦22KOなど記録尽くめの勝利。
会見では、
「中止や相手の変更とか、精神的にこれまでの、どの試合よりも疲れた。肩の荷が下りたというか、どっと疲れた」
と苦笑いしたが、今回のファイトマネーは11億円にものぼると言われ、その価値は上がる一方。そんな怪物の気になる今後とは――。
■フェザー級にはいつ転向するのか
改めて、「もはやスーパーバンタム級では敵なし」を印象付けた。本人も過去、6階級制覇を目指してのフェザー級転向をほのめかす発言をしており、すでに一階級上の王者たちから「ラブコール」を送られている。
ボクシングに詳しいスポーツライターの渋谷淳氏は、「少なくとも年内の転向はないでしょう」とこう続ける。
「井上は来年春頃に、世界WBCバンタム級王者の中谷潤人(27)と試合をすると言われている。階級を上げるのはその後ではないか」
中谷はもっか29戦29勝22KO。高いKO率から、井上の異名をもじって「ネクストモンスター」と呼ばれており、その中谷は「バンタム級にこだわりはない」とも話している。階級を上げた中谷との試合が実現すれば、「日本ボクシング史上最大の興行」と今も語り草になっている1994年の薬師寺保栄vs辰吉丈一郎を超える注目度となるのは間違いないが、それが井上にとってのスーパーバンタム級の“卒業式”になるかと言えば、そうとは限らない。
「確かに今のスーパーバンタム級に強敵はいませんが、フェザー級にビッグネームがいるかと言えば、そうでもない。井上は常に『最高のパフォーマンスを発揮して戦いたい。それをするには現在のスーパーバンタム級がベスト』と考えているのでしょう。フェザー級への転向も、前向きになれる何かを見つけてからではないか。決して『戦う相手がいなくなったから仕方なく……』という理由で階級を上げることはないと思います」(前出の渋谷氏)