「江戸っ子が惚れた忠臣蔵」菅野俊輔著
<赤穂事件の真相に迫る>
「忠臣蔵」のもととなった赤穂事件について書かれた江戸時代の史料を読み解きながら、その真相に迫る歴史読み物。
事件の発端である松の廊下での刃傷騒動を目撃した留守居番の日記や、吉良上野介の傷の治療をした外科医の記録などから、事件のてんまつや切りつけた浅野内匠頭との関係を浮かび上がらせる。さらに、吉良邸の隣家の住人をはじめとする目撃者の証言から、大石内蔵助が率いる四十七士による吉良邸討ち入り当夜の様子を再現。
事件後、約半世紀を経て上演された「仮名手本忠臣蔵」の生まれた背景、そして江戸っ子たちの赤穂事件に対する思いなどを明らかにしながら、忠臣蔵が愛される理由を考える。
(小学館 1300円)