「流通大変動」伊藤元重著
■少子高齢化時代のコンビニの行く末
流通の現場から日本経済の変化の潮流を読み解く経済テキスト。
まずはコンビニの動向に注目。セブン-イレブンが始めた総菜や弁当を客の自宅やオフィスに届けるミールサービスなどを例に、少子高齢化の成熟社会を迎え、コンビニがリピーターを大切にして深掘りする「農耕型ビジネス」に転換したと報告。その他、少品種多量販売を徹底するユニクロのビジネスモデル、日本の流通の中心だった問屋の機能の喪失と再編、そしてかつてはメーカーが担っていた価格設定などさまざまな決定に関与する「チャネルリーダー」のポジションを巡る戦いの激化まで。マクロとミクロの両面から激動する日本経済の今と行く末を見通す。
(NHK出版 780円)