人気シリーズの最新作を上梓した大沢在昌氏に聞く
本作では、事件を左右するキーパーソンとして、壮絶な過去を持つひとりの少女が登場する。タイからやってきたプラムと名乗る彼女は、事件の核心に迫ることで高河連合に命を狙われる佐江をサポートしようとする。そして、佐江もプラムに愛情を抱くようになるが……。
「暴力団がらみの小説を書き続けて、もうずいぶん経ちました。好きでこのテーマを選んでいるわけではないんだけどね(笑い)。もう十分だろうと思いつつ、暴力団の形は今後ますます変化するだろうとも感じています。狩人シリーズは一応の完結を見ましたが、また大きな変化があったら、書いてしまうかもしれませんね」
▽おおさわ・ありまさ 1956年、愛知県生まれ。79年「感傷の街角」でデビュー。「新宿鮫」シリーズが人気を博し、94年に「無間人形 新宿鮫Ⅳ」で直木賞受賞。14年には「海と月の迷路」で吉川英治文学賞を受賞。シリーズものを含め著書多数。