「竹鶴政孝とウイスキー」土屋守著
竹鶴の養子で、政孝が創業したニッカウヰスキーの後継者となった竹鶴威氏のロングインタビューも掲載。竹鶴の甥にあたる威氏は養父を「政孝親父」と呼び、身近に接した実像を語っている。明るく、豪放磊落で、頑固な理想追求者。「鶴の一声」で重要な決断を下す。ウイスキーが心底好きで、晩酌にボトル1本。晩年、入院中も医者から特別に許されて飲み続けた。「好きなことを好きなようにやってきて、幸せだった」と常々語っていたという。大きな夢をかなえた類いまれな人生だった。
(東京書籍 1400円)