「どうする定年」日経ヴェリタス編集部著

公開日: 更新日:

 あてにならない年金と激動の社会情勢を背景として、定年後どう生きるかは多くの人にとって今や切実な問題となっている。本書は、会社卒業が見えてきた50歳に、果たしてどんな戦略を立てて準備すべきなのかを、架空の企業「山谷電機」の同期入社組3人の事例をもとに小説仕立てで紹介した一冊だ。

 登場するのは、出世街道を進んできたものの就活に失敗した長男が気がかりな計順平、2歳の娘を抱えて子供の教育費が不安な風任成行、男女雇用機会均等法1期生の女性部長であり老親の介護が迫るおひとりさまの高嶺華代の3人。人生の第2ラウンドに遭遇しやすい親との同居や介護とキャリアの関係、相続問題、子供の就活、晩婚晩産で定年後にも必要となった教育費などの話題のほか、不動産購入で直面する問題や少額投資非課税制度(NISA)を活用した資産形成なども紹介。それぞれの個人事情に合った老後対策を考えるための、肩のこらないマネー本となっている。

(集英社 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…