「うつが治る食べ方、考え方、すごし方」廣瀬久益著
厚生労働省によれば、うつ病を含む気分障害の患者数は100万人超。この15年ほどで倍以上になっている。
そして、休職が必要とされた人のうち、8割もの人が治療困難や再発によって職場復帰を果たせないでいるのが現状だ。
治りにくく増え続けるうつ病の治療に対し、本書では薬以外のアプローチについて詳しく取り上げている。近年、抗うつ薬でも改善しないうつ病に対し、栄養療法が重視される傾向にある。例えば、鉄欠乏がうつ病の原因になる場合があるという。貧血なら分かるが……と疑問に思うかもしれないが、体内の鉄は脳機能の維持に深くかかわっており、鉄のサプリメントによる治療でうつ状態や睡眠障害の改善が期待できるのだ。
うつ病の回復に、光が見えてくる。
(CCCメディアハウス 1500円+税)