「洋楽日本盤のレコード・デザイン」植村和紀著
当時は、海外からの情報や素材の提供も乏しく、70年に発売されたフリートウッド・マック「オー・ウェル」の初回盤ジャケットには別のグループの写真が使われてしまったという(本書に収録されているのは訂正盤)。
こうした1950年代から70年代にかけての、ある世代には懐かしく、また別の世代には斬新に見える貴重なジャケットコレクションを収録。
後半では、LPの帯を紹介する。レコードを買ったときに扱いに困ったあの「帯」だ。処分されることが多く、その価値は中古市場で年々上昇しているという。デザインの目立たせ方や、絶妙なキャッチコピー、そしてインパクトのある邦題など、レコードのエッセンスを集約した帯は、日本独自の文化遺産ともいえる存在だ。
ジャケットと帯を合わせて約800タイトルを紹介。
こうした日本独自のジャケットデザインやLPの帯は、「いかにタイトルをラジオで覚えてもらい、いかにレコード店のエサ箱からレコードを手にとってもらうか」というディレクターやデザイナーの英知の結晶ともいえる。