「断薬セラピー」宇多川久美子著
多くの日本人が“薬は必要”と思い込まされているが、元薬剤師である著者は薬をやめることこそ健康への第一歩であると説いている。
例えば、血圧の薬。かつて高血圧の基準は「年齢+90㎜Hg」とされていて、60歳であれば150、80歳であれば170で何の問題もなかった。ところが今では、年齢に関係なく「130~140未満」という基準値が設けられ、元気な高齢者は中年者の基準に合わせるべく降圧剤を飲まされているという。高齢者がむやみに降圧剤を飲むと血の巡りが悪くなり、各種の体調不良や認知症のリスクが高まることも分かってきた。
本書には、薬にまつわるさまざまな誤解や真実がつづられている。薬の飲み過ぎに疑問を持っている人は必読だ。
(WAVE出版 1300円+税)