「踊る昭和歌謡 リズムからみる大衆音楽」輪島裕介著

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「大衆音楽」と「芸術音楽」は「踊り」か「鑑賞」かという享受(参加)のモードによって区分されると著者はいう。本書は、「不特定多数の大衆が娯楽として踊るための音楽」の日本での展開を追った大衆音楽史。

 近代日本の「娯楽としての踊る音楽」の起点は明治の鹿鳴館。以後、社交ダンスが定着し、娯楽として踊る人々が現れた。大正末期から昭和初期にかけ「ジャズ・エージ」が幕を開け、ダンスホールが興隆。一方で昭和8年の「東京音頭」の流行を機に盆踊りが再編され、現在まで続く形式が整えられる。以後、昭和30年代のマンボやドドンパにはじまりピンク・レディーやユーロビートに至るまで、昭和の大衆音楽の系譜をたどる。

(NHK出版 820円+税)

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