「№1トヨタ 7つの仕事魂」志賀内泰弘著
トヨタの内装設計をしていた中川さんには障がいのある娘がいた。そこで、そういう子どものいる家族のために役立つ車を作ろうと思い立つ。お母さんたちは車の乗降に苦労しているに違いないと考え、バックドアを開けてスロープで車いすを載せられる車を考えたが、「これではダメなんです!」。
上半身の筋力が衰えている子どもは首が前に倒れてしまうため、手の届く助手席に座らせなくてはならないのだ。今度は車いすを倒した助手席ギリギリまで滑らせて固定する〈1・5列目乗車〉を開発したが、車高が4センチ足りない……。
ユーザーのニーズに応える車の開発に取り組んだ先駆者たちのトヨタ魂を描く。(PHP研究所 1400円+税)