グレートな“立体作品”に挑戦!
最後に「版古」について。別名「立版古」(夏の季語)。江戸期に広く親しまれ葛飾北斎も制作した、紙製ジオラマ。お盆の灯籠が起源。「切組灯籠」「組み上げ絵」とも。本書では6種のポーズから数体を選び、舞台に見立てた箱の中に配置する。エガ版古のパーツの裏側には、茶色のクラフト紙を意識したテクスチャーが印刷されている。どの方向からでも「紙の白地」を見せない配慮。さすがはエガちゃん、大胆かつ「芸」が細かい。(自由国民社 1400円+税)
▽みやぎ・あずさ 工作舎アートディレクター。1964年、宮城県生まれ。東北大学文学部仏文科卒。1990年代から単行本、企業パンフレット、ポスター、CDジャケットなど幅広く手掛ける。