「先生が患者ならどうします?」 岡田正彦著
治療の効果や薬の副作用などのデータから、医療の未来を読み解く医療統計学。その第一人者である著者が、現代医療を正しく利用するためのヒントを提示していく。
病気にかかったら“いい病院”で治療を受けたいと誰もが思う。しかし、そんなときに参考にされる「病院ランキング」は信用に値しないと本書。例えば、全国がん(成人病)センター協議会という組織が公表する、がん手術のあとの5年生存率を病院ごとに示したランキングがある。これを見ると、5年後まで生き残っている患者が多いほどいい病院と思ってしまうが、上位の病院は初期がんの患者ばかりを治療し、重篤な患者は“お断り”しているケースもあるという。
長生きしたければ、まず真実を知ることが必要だ。
(ダイヤモンド社 1300円)