「スポーツアナウンサー 実況の真髄」山本浩著
「スポーツは、勝利をめざしてエネルギーを動きに転化する行動の連続」であり、実況の基本は、そのエネルギーのベクトルの変わる瞬間に、ベクトルの起点に言葉でピンを打ち続けるところにあるという。
テレビが普及する前のラジオ時代の早慶戦など、歴史に残る名実況などを紹介しながら、実況の歴史や舞台裏、そして技術の進化によるスポーツ実況の変化などを解説する。
さらに元NHKアナウンサーの著者が長年携わってきたサッカー実況をベースに、試合前の情報収集から終了後の選手へのインタビューまで、その仕事の実際を詳細に紹介。名試合を陰で演出する熟練の仕事の真髄を垣間見る。
(岩波書店 740円+税)