「フランス人は人生を三分割して味わい尽くす」吉村葉子著
20年間パリで暮らし、子育ても体験した著者が、フランス人の国民性を紹介したエッセー集。
日本とは、文化風俗も対極にあると感じられるフランスだが、意外にも感性は近いという。書名の三分割とは、教育を終えるまでの「学びの段階」、社会に出て伴侶を見つけ家庭を持つ「育ての段階」、そして穏やかな着地を想定した「第3段階」。この人生を三分割して味わう彼らの発想は、けじめが好きな日本人にも心地よく受け入れられるはずだと著者はいう。友人同士でもお金関連の話題が出ることはまずないという彼らの金銭感覚をはじめ、食やおしゃれ、仕事観まで。多くのエピソードとともにつづられるフランス人の人生の流儀に得ること大。
(講談社 800円+税)