「日本国債暴落」桐谷新也著
主人公は、外資系投資銀行の名門クリムゾン・マイヤーズに、トレーダーの腕を見込まれて入社した山城達也。債券トレーディング部に所属して3年が過ぎた2007年4月、稼ぎ頭で上司だったスタートレーダーの退職を受け、若くして後任を託された。
リーマン・ショック、ギリシャ財政危機に端を発する欧州発の財政不安、3.11の東日本大震災と、次々やってくる荒波を乗り越えた山城だったが、13年、日銀による異次元緩和とその出口戦略の迷走により、国債の未来に暗雲が垂れ込め始める。日本経済の崩壊の足音が近づく中、山城はひとりのトレーダーとしてどう動くか、そして日本経済の行方は……。
07年からの具体的な金融市場の動向を踏まえ、近い将来起こり得る日本国債暴落のシナリオを描いた経済小説。新入社員・神田冴子に山城がレクチャーする形で、国債の仕組みや国債暴落が起こるカラクリをわかりやすく解説している。(ダイヤモンド社 1500円+税)