「海と月の迷路」大沢在昌著

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 昭和34年、警官の荒巻は、「軍艦島」と呼ばれる炭鉱の島の派出所に赴任。5000人以上もの人々が暮らす島で起きるもめごとは、外勤と呼ばれる炭鉱会社の職員が処理し、警察の出番はなかった。赴任から1カ月後、中学2年の女子生徒が水死体で見つかる。検視の結果、異常は見当たらず、事を荒立てたくない外勤は事故による水死と断定する。腑に落ちず、独自に調べを続けていた荒巻は、ある人物から助言を受け、検視に立ち会った看護婦に改めて聞くと、遺体の髪の毛の一部が切り取られていたことが分かった。さらに8年前に水死した女性の遺体の髪の毛も同様に切り取られていたのだ。

 昨年の吉川英治文学賞受賞作品のノベルス版。(講談社 1300円+税)

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