「知られざる色覚異常の真実」市川一夫著

公開日: 更新日:

 色覚異常は先天的なものだと思われがちだが、加齢に伴って起こるものもある。年齢を重ねると無色透明の水晶体が黄色みがかってくる場合があり、人によって度合いは違うが、ビール瓶のような濃い茶色になるケースもあるという。

 時間をかけてゆっくりと進行するため気づかれにくいが、加齢による色覚異常は命を脅かす危険もはらむ。高齢者の火災事故にはガスの炎が袖などに燃え移る「着衣着火」が原因のひとつに挙げられるが、色覚異常が一因である場合も多いと本書は指摘する。色覚異常の高齢者には青白い色の炎が見えにくく、実際の大きさより小さく見えてしまうため、自分と炎の距離を適切にとりにくいのだ。

 照明の工夫など、見えにくさのリスクを低減する方法も紹介する。(幻冬舎 1200円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小室佳代さんは眞子さんを「配偶者」と呼び、秋篠宮さまは圭さんを「夫の方」と呼ばれ…自伝本が深めたミゾ

  2. 2

    松坂桃李「御上先生」は連ドラの“勝ちパターン”を外してしまった? 1ケタ陥落で疑われる《失速と中だるみ》

  3. 3

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 4

    “選挙のプロ”立花孝志まさかの凡ミス赤っ恥…第一声「神戸→船橋」急きょ変更のお粗末

  5. 5

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  1. 6

    小室圭さん母・佳代さん まさかの「自伝本」出版に宮内庁が困惑…“魂の訴え”で秋篠宮家にまた逆風か

  2. 7

    三田寛子はアイドルから“梨園の妻の鑑”に華麗なる転身も…夫の不倫癖で扇千景さんの境地になれない

  3. 8

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 異例の「マイナー相手に実戦登板」で見えた首脳陣の痛恨トラウマ

  5. 10

    なぜオリ山岡泰輔だけが名前を晒されたのか…SNSでは「不公平」「一律公表すべき」の声